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Adobe戦略に思うこと

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先日、Adobe社がPhotoShopやIllustratorなどのソフトウェア群【CreativeSuite】を現行バージョンで廃止し 【CreativeCloud】にします。と発表しました。要約するとお店・ネットでのパッケージ販売は止めて、インターネットのみ・月額料金5,000 円で提供にします。ということです。時代だなー。と思うと同時に、素人はいいけど、会社関係は困るし、長い目で見るとAdobeが困らないか?と全く他人毎ですが、心配してます。以下に考えをまとめてみました。

この戦略の背景

Adobe社のパッケージソフトは複数のアプリがセットになったタイプで13万円〜34万円と非常に高価な値段となっています。この為、海賊版が出まわることも多く、Adobeも対策をいくつか立てています。しかし対策を回避して利用するイタチごっこが続いています。

Adobeとしては海賊版が出回る事により本来の収益が得られません。収益を確保するためにアプリの値段を上げざるを得なくなってしまう「正直者がバカを見る」状態に陥る可能性があります。

また、値段の高さから手が出ない人も月額5000円なら使ってみようと思える価格でアプリの入り口を広げてユーザを引き込む作戦ですね。

料金プラン

料金は1年間の継続契約で月額5000円となってます(CSバージョンからの乗り換えだと最初の1年間は3000円になるキャンペーンもあります)5000円払えばすべての製品が利用できるプランとなってます(パッケージで言うと34万円分の機能が使えます)

値段設定がウマイですね。大体、携帯電話と同じくらいの利用料。個人的にはアプリの絞り込み(好きなアプリ5点とか)で月額3000円くらいの継続コースがあれば考えちゃいます。 ※個人で使いたいと思うのはPhotoShopとIllustrator位なので、なんか損した気分になるのです。

メリットと思うこと

Cloud機能を利用することによって正規ユーザかどうか?を識別できるため、海賊版が減る可能性があります。また、製品が常に最新となる為、バージョンアップしても買い替えをしなくても良い。

年間6万円で34万円分の機能を利用する事が出来る事。大体2年で新バージョンが出るサイクルを考えると1つのバージョンの投資は12万円で良くなり、長い目で見ても安く購入できる。

デメリットと思うこと

メリットはデメリットにもなってしまうと思っていて、結局海賊版は駆除できないんじゃないか?とも思います。利用方法についてはまだ公表されていな いので分かりませんが利用する度にログインする仕組みでないと、オフラインで利用されてしまいます。オンラインでしか使えないというのはモバイル利用を考 えるとちょっと考えづらい。やってくるかもですが。

企業ユーザとしてはバージョンアップが自動的に行われてしまう事により、唐突に使えなくなる機能が出てきて編集などが大変になるんじゃないだろうか と思います。これまでのバージョンでもバージョン依存が発生している為、過去のバージョンも含めて全て持っている会社も多いと思います。今後、そういう依 存性がゼロになる仕組みで過去資産は全て引き継ぎます。だったらユーザとしては安心ですが・・・

将来性

Cloud戦略はネットワークが普及しているアメリカ・日本などは問題ないですが、ネットワークが弱い海外地域をバッサリ捨ててるように見えるのが 気になります。また、これまでは新機能の名目でバッサリと過去資産を捨てて成長してきた会社です(これがバージョン依存の原因の一つ)が、今後はこの方法 が出来なくなる可能性があります。戦略的に捨てて前に進んできた企業なのに過去をまるごと抱えて進化する方式になるのは企業文化もあって大変になる予感で す。

何も考えてないシロウトがこれだけ思いつくんだからAdobeはそれらをフォローするための方法を考えてると思います。

まとめ

新しい試みを率先して実施する企業スタンスは大変素晴らしいと思います。これからのデファクト・スタンダードになっていくという予感も感じさせま す。でも、それなら月額料金を支払えばどのバージョンでも使っても良いとした方が利用する側は安心出来ると思います。今後の動きに注目です。

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