IT人材が足りないっ!という報道は本当だけど違和感も感じるIT技術者不足

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ダイコク@三重県ブロガーです。

最近、学校でのプログラミング授業の必須化など、将来に向けてIT技術者を増やそう!という国を挙げての施策や、地方自治体・企業などが増えている。

そんな中、今現在でIT技術者が不足しているという報道。しかし、そこには違和感も感じる訳ですよ。IT技術者を増やしたいなら何をしないといけないのか?を話してみる。

報道にある「IT人材不足」報道


Yahoo!ニュースを見ていたら出てきたこの情報

内容を一部抜粋すると

「正社員が不足している」と回答した企業は、2016年7月の調査に比べ7.5ポイント増の45.4%となり、06年5月の調査開始以来の最高を更新した。人材難はIT関連業種などで深刻化しており、企業活動を制約する可能性もある。

確かに、ダイコクの働いている会社でも人手不足は大きく感じている。ただ、「人手不足だから正社員をいっぱい入れよう!」とはならない。「協力会社に人材を依頼しよう!」が今の主流。仕事がなくなった場合に調整しやすいからだ。

協力会社側は自社で人材用意するか協力会社の協力会社に依頼をする。その協力会社も人手不足で・・・という連鎖が起きているのが今のIT人材不足の構図。

だから元記事の「正社員が不足している」という報道はちょっと違和感を覚える。そもそも、大元は正社員を取ろうとしていないのではないか?

正社員が不足する理由


では、協力会社側で正社員が不足する理由は・・・給料が安いからに他ならない。なんで給料が安いか?請け負う仕事の単価が安いから。

IT業界って人月単価で仕事の値段を決める事が多い。バイトやパートと同じで時給いくらの考え方。例えばプログラム開発に100時間かかるから1時間3,000円で30万円になります的な。

この時、100時間が適正な時間でそのまま契約できればいいけど、値引きを要求される事がある。10時間分を値引きすると、100時間でする作業を90時間でしなければ正規の利益が出ない。

そうすると、10時間を短縮できる「スキル」を持っている人が作業しないといけない訳です。仕事が早くできる人ほど、安く仕事をする不思議な世界。同じ仕事量なのに残業をする人の方が褒められるのと似てますね。

するとそれが「常態化」する。そうなると正社員を取る時に「スキル」を持っている人必須になる。素人が門戸を叩こうと思っても叩く前に追い出されてしまう訳です。

スキル持ってる人からみると安すぎて仕事する気になれない。

本来、会社は新卒等を「育てて」いくのですが、今のこの業界は人手が足りてないので「即戦力」となる人しか採用しない。だから募集に対してますます応募できる人が狭まっていくのです。

負のスパイラル。

先の人月単価でしか収入が得られないと言うのも1つの原因ですね。お金を稼げないスキル不足の人を抱えていても赤字になってしまうばかりだから採用しにくい。

仮に素人がやるから通常100時間のところ、150時間で作業しまっせ!で通る優しい世界だったら人不足は解消する。やってみたい人はたくさんいる。

IT業界って技術は日進月歩だけど人の考え方は昔のまま


IT業界ってなんでか知らないけど、プログラマよりSE、SEよりプロマネの方が偉いと言う風潮がある。そして単価も高くなっていく。しかしながらそれはただの「役割」であって上位に存在するものではない。

しかし、そんな風潮があるからプログラマは若い世代で固められ、マネージャーは年寄り世代で固められる。

年齢が上がってプログラミングが覚えられなくなるいわゆる「プログラマ35歳限界説」も実はこう言うところから生まれたのかもしれない。年齢上がるごとにプログラミングに触れる機会が大幅に減るから新しいプログラムを覚えられなくなる。

実際に新しく実装された機能に触れてみないから機能を理解できずに設計書には古いやり方しか反映されない。それが繰り返される。

基本、新しい物好きは若い人材に多い。だったら設計段階から新しいことを知っている新しいもの好きの人材にも参画してもらうべきだ。

不足する原因に向き合わない限り、今の構図は変わらない


業界内から見ていて「人が少ない理由」は今まで話してきたことのように感じています。これ、重症的な考え方だと思うんですよね。

コスト計算も今時の作り方を反映できてない。昔ながらの「手続き型プログラミング」で1ステップあたりで計算できていた時代なら通用していたのは分かる。しかし、オブジェクト指向プログラミングや、GitHubを活用したプログラミングなど今時のコーディング方法には対応できてない。無理矢理のこじつけで対処している。

人が足りない!って叫んでいるのは実際にには「教えなくても自立して出来る人がいない!」って叫んでいるんです。なり手が少ないんじゃない。経験者がいないんだ!と。

本当に人手が欲しいなら、1−2年後を見据えて人を採用すべきだと思うし、プロジェクトも時間単価じゃなくて、重要度やオリジナル度などでコスト評価するべき(それが時間単価に反映されるならそれでも良いと思う)

小学校からプログラミングに触れる時代になろうとしている。この教育を受けるこの子らが就職する10数年後までに業界も変わっておかないと、ダサい業界になりかねない。ITドカタなんて揶揄される時代を塗り替えておこう!

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ABOUTこの記事をかいた人

三重県ブロガーでガジェッター 毎日をワクワクの出来事でいっぱいに! 気になったガジェットの紹介から始まり ダイコクが購入したガジェットのレビューをメインに更新中。 日々の生活の中での「ワクワク」を文章にしてお届け。 二児のパパでもあり、イクメン活動中。 本も年間100冊くらい読んでます。 自分の中の気づきも定期的にエントリとして綴っています。